生レバーに思うこと - 牛が駄目なら鶏を食べればいいの?

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とは行かないのが世の中の性でありまして。


平成24年7月に牛レバーの生食が禁止されてから早1年が経とうとしています。店側の管理の杜撰さに、親や周りの大人の無知も合わせて多くの重症患者と死者が出ました。それにも関わらず駆け込み需要から患者が増加、毒のリスクを犯してでもフグを食べようとした人をどう笑うことができましょうか。

さて食中毒が増加するこの時頃、生レバー好きもそうでない人*1も改めて考えてみたいと思います。それと同時に、鶏生レバーを食べて頻繁に食中毒を起こす我が友人にこの記事が届く事を願います。



なぜ牛生レバーは禁止されたのか?


牛レバーを生食するのは、やめましょう - 厚生労働省

簡単に言うと
死ぬ可能性のあるくらい重篤化する食中毒なのに危険性が排除できないからです。

以前の事件で原因となった細菌は腸管出血性大腸菌(enterohemorrhagic Escherichia coli:EHEC)という大腸菌の中でも人間に対して特に重篤症状を引き起こすこと、また10~100個というごく僅かな菌数*2O-157:H7、ヨーロッパで大量の感染者と死者を生み出したO-104:H4、そして焼肉屋えびすで有名になったO-111:H-などが含まれます。

このOとかHというのは大腸菌の分類に使われるアレなので気になる人は調べてください。


この菌が牛の肝臓内部から発見されたことで、安全に食べるための方法が中心部まで加熱することでしかできなくなってしまいました。中心部まで加熱したらそれはもう生ではありません。ちなみにユッケに関して言うと、筋肉の場合表面に菌が存在しているので、表面を殺菌すれば中身は食べることができるって、やったねたえちゃん!


もちろん魚にだって*3なんだって菌は居るし、加熱しない限りそのリスクは排除されない*4わけですが禁止されたのはやはり死者がでる可能性が高いためだと私は思います。あと個人的には「俺は大丈夫!」と言って生レバー食べて感染した後の二次汚染リスクが減るので喜ばしいです。


豚や鶏は大丈夫なの?


うるせえ!
そんなに生レバー食べたかったらこんにゃくにごま油と塩つけて*5食っとけ!


もちろん大丈夫ではありません。おばあちゃんの知恵というのは素晴らしいもので、生肉を食べてはいけないというのはまさにその通りです。むしろ「牛はちょっとくらい赤くてもいいけど、鶏や豚はちゃんと火を通さないとだめ!」って言われませんでしたか?
唐揚げの肉が赤いと怒るくせに喜んで鶏のレバ刺食べてる人(友人)なんて高度なツッコミ待ちしてるのかなあと疑ってしまいます。

鶏や豚にはカンピロバクターサルモネラ更には寄生虫や肝炎ウイルスと腸管出血性大腸菌もいるのですが、主として鶏はギランバレー症候群が怖いカンピロバクターの保菌率が高く、豚の生食は寄生虫のリスクが高いという点があげられます。寄生虫の怖さについてはこちらのTogetterをどうぞ(っ'ヮ'c)♡

【閲覧注意】本当に怖い、豚の生食 - Togetter


巷で聞くSPF(Specific Pathogen Free)豚も無菌とかじゃないですからね( ˘ω˘ )無菌豚なんて作ったらいくらかかるのでしょう。SPF豚はあくまでも豚にとって有害な菌から守っているだけです。あしからず。


喰うなとまでは言わないから知識をつけろ

ネットにはこういう記事があるから豚レバーは大丈夫だとか鶏レバーは大丈夫とか誤解する人がわんさか出てくるんですよね。

新鮮だから大丈夫?むしろカンピロバクターは熱にも乾燥にも大量の酸素にも弱いので新鮮な方が菌数が多かったり*6します。この「新鮮=安全!」という誤解を与える表現だったり、危険性を明示しなかったり。私は生レバーを規制するよりこういった情報を統制したほうが良いと思うのです。

それと同時に私達も知識を身につけるべきです。このご時世ちょっとネットで調べたら情報なんてわんさかでてきます。何が本当かわからないまとめサイトを見るくらいなら厚労省とか保健所とかの公的なデータを見てください。そうです。まさにこのブログを読んでいるあなたです。 


子どもや老人に生肉を食べさせない、生食のリスク、感染症の危険性。これらを踏まえて生レバーを食べるなら「自己責任」です。「自己責任」にできない人と、安全性を無視して提供する店。こんな状況なら規制されても文句は言えないのではないでしょうか。


店側は情報提供すべきだと思う

勿論店に出す商品は安全であるべきなのですが、焼肉屋えびすでもあったように「大人なら大丈夫だけど子供や老人には有毒」という商品ってどれほど注意喚起がしてあるのでしょうか。

あるいは先に述べたように新鮮だから大丈夫という根拠もクソもない理論を振りかざしたり、法の隙間をぬうような商品展開(牛が駄目なら豚レバー)をしたり。それくらいなら危険性があるものにはおもちゃの注意書きみたいにメニューに記載すればいいのにと思います。

特に鳥刺しは郷土料理だからこそ簡単に規制できないだろうし、お上が触れ回った所で一体どれだけの人がそれを聞いていることでしょう。それを聞いてたら私の友人は腹を壊さないか食べたとしても予定のない時に食べただろうしわざわざ予定を開けた私の日曜日が丸一日パァになることも無いんですよ。聞いてます?選考前日に鳥刺し食べて腹壊した君たちですよ君たちのことですよ!!!


私自身、生レバー食べながらビール飲んだり日本酒ちびちびするの大好きだったので正直規制されるのは悲しいです。でもあまりにもリスクを知らない人が多すぎる。

消費者それぞれに食中毒のいろはを叩きこむのは現実的ではありません。ならばメニューの隣か別ページにでも「これこれこういう危険性があって子供や老人は食べてはいけません。こんな病気にかかります。こんな症状がでます。最悪死にます。」くらい記載しても良いと思うのですよね。危険であることが分かっている食品を提供するなら本来はこれくらいやるべきではないでしょうか。どうです政治家のみなさん。


牛が駄目なら豚も鶏もだめなんだけれど

理解して食べるのならそこは許されていいと思うのです。
ただ理解できる環境が整っていないことが問題だと思うのです。


少しでも食が安心になればいいなあ





インターネットからニセ科学を減らすたった一つの簡単な方法 - アレ待チろまん


こちらの記事に感化されてよっしゃーと奮起しましたが「正しい情報」を載せるというのは大変だなあと改めて感じました。論文管理ソフトとブラウザがタブだらけになりました。お金をもらってるライターですらトンデモ情報のっけてるのにいわんやをや。(省略)


ここおかしいよー!って所があれば是非ともご連絡ください。

ソース載せるのって難しいですね。どの論文で見たかとかまとめとかなきゃなあ…

*1:ちなみに私は生レバー好きです

*2:通常の食品に存在している菌数は10^3くらい余裕でいます))でも発症することが問題視されています。誰もが聞いたことのある((最近の小中学生は知らなかったりするんですかね?

*3:刺身については腸炎ビブリオなら冷凍や真水洗いで加熱しなくても殺菌できるので大丈夫だと思っております。しかしアニサキスてめーは駄目だ

*4:加熱しても排除できないのは某牛乳の黄色ブドウ球菌が良い例ですね

*5:このごま油と塩がポイントらしいですね。こんにゃくで食感を再現してエキス分を入れておけば結構騙される人多いです。そこそこうまいです。私日本人のこういう「なんとか食べよう」とする精神嫌いじゃないです

*6:感染症ものしり講座 - 大阪府感染症情報センター